スーツは「2着」で本当に十分なのか

スーツが”普段着”となるビジネスパーソンですが、一部では「2着あれば十分」なんて説があるようです。これ、本当に信じていいのでしょうか。実態についてお伝えしていきます。

目次

「2着」は最低限

スーツを2着持っていれば、たしかに最低限の着回しは可能かもしれません。

大前提として、ビジネスパーソンが毎日スーツを着る場合、1日着たスーツは最低でも1日休ませる必要があります。スーツは基本的にウール素材でできていて(安いスーツでもだいたい30~50%くらいはウールを含んでいます)、湿気を吸いやすい特徴があります。一度着ると汗や湿気を含むため、そのまま続けて着用すると傷みや型崩れの原因になりかねません。しっかりと休ませて乾燥させることが重要なんですね。

ですから逆に言えば、交互に着る前提であれば2着でなんとかやりくりできるというわけです。

ただし、この枚数は「最低限」の話であり、清潔に着回すにはもう少し余裕を持たせるのが理想的です。

まず、スーツは清潔感が命です。ビジネスシーンにおいて、シワが目立つスーツや不衛生な印象の服装は、相手に与える印象を大きく左右します。着る頻度が多くなるほどシワや汚れの原因になりますし、特に汗を多くかく夏場や雨の日が続くと、そのリスクは格段に高まります。

こうした中、1着をクリーニングに出すと、手元には1着しか残りません。クリーニングが仕上がるまでの間に予期せぬトラブル(汚れや破損)が発生すると、急に着るものがなくなるリスクも考えられます。

毎日着ることを前提とするなら、清潔感を保つという意味で、2着しかないというのはかなり危うい状態であると思うのです。

さらに、2着しか持っていないと、ワイシャツやネクタイでバリエーションを増やそうとしても「いつも同じスーツを着ている」という印象を持たれやすくなります。特徴的な柄や特徴的なデザインのスーツは着回しが難しいですし、「また同じスーツを着ている」という印象がより強まりますから、手持ちのスーツが少ない場合は、せめて無地のベーシックなデザインを選ぶのが無難ですね。

さらに、2着のスーツをどれくらいの期間着られるかについても考える必要があります。一般的に、スーツの寿命は着用頻度や手入れの仕方によりますが、週5日以上の使用を2着で回すとなると、2年持てば良いほうです。つまり、2着のみで過ごす場合は、短期間で新しいスーツを買い替える必要が出てきます。極端な話、「2着で2年」を過ごすより、「4着で4年」の方が、「常に4着着られる」という意味で得ではないでしょうか。まして4着でまわすなら、それぞれのスーツの”休養期間”も長くなりますから、4年どころかもっと長くもつことでしょう。

こうした点を踏まえると、2着は「最低限」の枚数であり、快適に着回し、清潔感を維持するにはもう少し余裕を持たせたほうがよいと思うのです。

できれば3、4着はほしい

スーツを3〜4着持っていれば、ローテーションに余裕が生まれ、より快適にスーツスタイルを維持できます。上記の通り、2着だけで毎日交互に着るよりも、3〜4着あればスーツの休ませる日数を増やせるため、結果的に長持ちしやすくなります。2着を2年間使い続けるより、4着を4年間着回すほうがスーツ1着あたりの寿命を延ばすことができ、コストパフォーマンスの面でもメリットがあります。

3〜4着あると、クリーニングのタイミングにも余裕が生まれますね。2着しか持っていないと、1着をクリーニングに出した際にもう1着しか選択肢がなくなりますが、3〜4着あれば、常に2〜3着のスーツが手元にあるため、急な汚れや悪天候の日でも安心です。特に夏場は汗をかきやすく、スーツをこまめにクリーニングに出す必要があります。その点、複数のスーツを持っていれば、無理なく清潔な状態を保てるでしょう。

加えて、スーツの枚数が増えると、コーディネートの幅も広がります。ワイシャツやネクタイの組み合わせだけでなく、スーツ自体にバリエーションを持たせることができるため、毎日の着こなしに変化をつけられます。たとえば、ネイビーの無地、グレーのストライプ、チャコールグレーの無地など、3〜4着のバリエーションがあれば、印象を変えながら着回すことが可能です。特に営業職や人前に立つ仕事をしている人は、相手に与える印象を考えると、ある程度のバリエーションを持たせるのが理想的です。

さらに、スーツの傷み具合も分散されるため、買い替えのスパンを長くできます。2着だけをヘビーローテーションすると、スーツの傷みが早まり、数年ごとに買い替える必要が出てきます。しかし、3〜4着をバランスよく着用すれば、1着あたりの負担が軽減され、結果的にスーツの寿命が延びることにつながります。

繰り返しになりますが、スーツスタイルにおいて最も重要なのは「清潔感」です。ヨレヨレになったスーツや、シワの目立つスーツを着ていると、それだけで相手に悪い印象を与えかねません。スーツの数に余裕があれば、適切に休ませながらメンテナンスを行えるため、常に清潔感を維持しやすくなります。

というわけで、スーツは「最低2着」でなんとかやりくりできますが、3〜4着持っていると、清潔感を保ちながら長く使えるだけでなく、着回しのバリエーションも増えて、より快適なスーツライフを送ることができるといえるでしょう。そんなに高いスーツを買う必要はありませんから、ビジネスパーソンの方なら、ぜひ3~4着くらいは持っておきたいところです。

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