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仮縫い付きのフルオーダースーツを仕立てることができる英國屋。オーダースーツというものの相場などをあまり知らない方にとっては、「無駄に高いな…!」なんて感じられることもあるかもしれません。だって最安価格でも20万円以上かかるわけですからね。
そこで本稿では、それほど高価な英國屋のオーダースーツを作る必要って、本当にあるのか。出来上がるスーツは本当に価格に見合っているのか。そもそもスーツにそこまでのお金を払う価値はどこにあるのか。こうした点について、検証していきたいと思います。
英國屋の特徴

英國屋(正式には「銀座英國屋」)は、フルオーダースーツを専門に取り扱う老舗テーラーであり、東京都中央区銀座をはじめ、オークラ東京、大阪梅田、大阪あべのハルカス、京都など、日本国内の主要都市に店舗を展開しています。
本格派のフルオーダー
スーツの仕立てに関しては、フルオーダーならではの精緻なフィッティングと縫製技術が特徴です。採寸は専門のフィッターが担当し、単にサイズを測るだけではなく、骨格の特徴、姿勢、体型のクセ、さらには着用者のビジネスシーンやライフスタイルまでを考慮した上で調整を行います。そのため、肩の傾斜や背中の丸み、足の長さの違いなど、既製品やパターンオーダーでは対応しきれない微細な部分まで補正が可能です。フィッターによって仕上がりが大きく左右されるフルオーダースーツですが、その点のレベルは業界でも評価されているようで、心配ないといっていいでしょう。
仮縫いについて
また、英國屋のスーツは「仮縫い」を重要視しています。フルオーダースーツの神髄とも言える仮縫いの工程では、しつけ糸で仮留めした状態のスーツを試着し、着心地やシルエットを細かく調整します。この過程を経ることで、身体にぴったりとフィットしながらも動きやすいスーツが完成するのです。特に英國屋では、「肩回りの可動域の広さ」を重視し、「肩まで外せるフィッティング」技術を導入。これにより、肩の動きを妨げず、長時間の着用でもストレスのないスーツを実現しています。
縫製技術
縫製においては、手縫いと機械縫製を使い分けています。例えば、強度が求められるパンツの前立てやシーム部分は機械縫製を採用し、耐久性を確保。一方で、ジャケットの襟や袖付けなど、柔らかさやフィット感が求められる部分は職人の手仕事で仕上げています。この「適材適所」の縫製技術が、見栄えの美しさと着心地の良さを両立させているというわけですね。
スーツの見た目と着心地は、仕立てのレベルによって大きく変わります。その点こそ、英國屋が最も評価されているポイントだといえます。

価格について
英國屋のオーダースーツは、最も安いラインで税込220,000円~という価格になっています。パターンオーダーのスーツ価格を見慣れている方からすると、かなりの高額に映るかもしれませんが、仮縫い付きの“本物のフルオーダー”の中では、比較的手頃な部類に入るといっていいでしょう(私個人として、某社のパターンオーダーでも14万円ほどかかったこともあるので……)。
生地ブランドごとの価格目安は大まかに以下の通りです。
国産生地
- 国産ウール(スタンダード):220,000円~
イタリア製生地
- カノニコ(CANONICO):275,000円~
- ロロ・ピアーナ(Loro Piana):385,000円~
イギリス製生地
- ドーメル(DORMEUIL):330,000円~
- ハリソンズ(HARRISONS):352,000円~
- スキャバル(SCABAL):385,000円~
特選生地
- スミスウールンズ(SMITH WOOLLENS):440,000円~
- ホーランド&シェリー(Holland & Sherry):462,000円~
- ビキューナ(Vicuña)やカシミア100%などの特別生地:660,000円~
なおスリーピーススーツ(ジャケット+ベスト+スラックス)の場合、ベストの追加料金として44,000円~が加算されます。ダブルブレスト仕様を希望する場合は22,000円の追加料金が発生します。
オプションに関しては、多くのテーラーが追加料金を設定している裏地やボタンなども、英國屋では無料の選択肢が豊富に用意されています。無料ボタンは約400種類、無料裏地は約200種類と、多様な選択肢の中から好みに合わせて選ぶことが可能です。
英國屋でオーダーする価値はどこにあるのか……
しかし、「仮縫い付きのフルオーダーの中では比較的追いついた価格」だと言われても、「それにしても高いよ!」とお感じになる方も少なくないでしょう。20万円以上のお金を払って英國屋でオーダーする意味って、どこにあるのでしょうか?
やはり技術×仮縫いフルオーダーは強い
まず前提として、スーツのクオリティ自体はかなりの水準で担保されているため、「価格に見合わない」ということはないと考えてよいでしょう。
正直、生地自体はパターンオーダーのお店でも置いてあるものも多い(カノニコやドーメルなど)ですが、スーツの製造業者として最も重要である、縫製技術、着心地を追求したパターン設計などの技術面では、そこらのスーツ店とは一つレベルが違うところがあります。
その技術をもとに、レベルが高いフィッターが体のクセや細かな特徴を把握し、仮縫いなどを経てそれをスーツに反映しているので、見た目が美しいだけでなく、着心地が非常に良く仕上がるというわけです。
パターンオーダーやイージーオーダーのスーツのレベルが低いということはないのですが、これらの採寸はどうしても「○○が××cm」という“データ勝負”の面が強い。その一方で、同社の仮縫い付きのフルオーダーの場合は、この“データで見える部分”のほかに、様々な体型補正をかけていくので、そりゃぴったりのものができるよなという話ですね。
縫製技術に加え、フィッターの技術がバシッとハマると、素人目にも「これは良いスーツだ」と分かるレベルの違いを生み出します。電車やビジネス上の会議、あるいはパーティなどではあまりスーツを印象的に感じることはないかもしれませんが、ドラマで着用されているスーツがやたらかっこよく見えるのは、そういうことです(実際に英國屋や多数メディア協力をしています)。
実物として目に見えている生地の種類に値が付くのはわかりやすいと思うのですが、こういう技術の部分はなかなか価値が見えづらいところ。だからこそ、ここにお金をかけられるかどうかは、判断が割れるところなのだと思います。
“一流”を「もう+10万」で買う
上記よりも重要なのは、「一流のスーツを着ている」という事実にこそ、最大の価値があるのかもしれません。
質の高いオーダースーツを纏うことは、着用者に自信を与え、周囲からの見え方も一気に変わる。特にビジネスの場では、見た目の印象が信用や信頼につながることも少なくありません。上記の通り、バシッとハマったスーツは、素人目に見ても「良いスーツだな」とわかるものなのです。野暮な話ですが、「英國屋」というブランドのスーツを着ているという意味でも、「お金をかけるところがわかっている」という印象を与えることにも繋がります。つまるところ、単なるファッションではなく、社会的な自己投資とも言えるわけですね。
そう考えると、いくらパターンオーダーのそこそこのスーツを着ていてもこの“一流感”はなかなか得られない一方で、同社でオーダーをすれば、手っ取り早く“一流感”を出せるという見方もできる。低価格、中価格帯のオーダースーツから「もう10万円」をかけられるかどうかが、その分かれ目なのかもしれません。
そこに価値があるとお感じの方は、まずは気軽にネット予約の上、店舗で説明を聞いてみることをオススメします(下記リンク先の下部に予約フォームがあります)。生地を見たり、話を聞いたりしないとなかなか見えないことも多いですし、スーツ初心者の方に対しても優しく丁寧に対応してくれるお店ですから。