これまでジャケットも含めれば15着以上のオーダーをしてきた私ですが、当然「全てが100%満足」ということはなく、後悔が残るオーダー経験も何度かあります。そんな実体験も踏まえながら、特にこれからはじめてオーダーをされる方に向けて、「私のオーダースーツの後悔」についてお伝えしていきたいと思います。
後悔①:初回に「自分の好み」を反映させる
私がはじめてオーダースーツをつくったのは、ユニバーサルランゲージのいわゆる「2着5万円」セットでした。

感じの良いスタッフさんで安心した半面、「こうした方がいいと思います」というご提案はあまりなく、良くも悪くも私の返答を尊重する形で仕様が決まっていきました。
たとえばジャケットの長さ。「このくらいでどうでしょう?」とスタッフさんに聞かれ、当時はなんとなくタイトめ、短めなサイズ感の方がかっこいいと感じていた私は、「もうちょっと短い方がしっくりきますかね」といった感じで返答し、スタッフさんも「わかりました」とこちらの回答のままに。結果、今思えばけっこう短めなサイズ感になったなと思います(写真だとわかりづらいかもしれませんが)。もちろん「もっと短く!」などと私が言っていれば、「さすがにこのくらいにしておいた方が…」と止めてくれていたことでしょうけど、基本的には私の好みを尊重してくれていたわけです。
これは一見、優しい接客のような感じもしますが、はじめてのオーダースーツですから、当時の私は何がふつうで、どれくらいが最も自分に合ったサイズ感なのかを全く知りませんでした。正直、もう少し「このサイズ感が一番体には合っているかと思います」くらいの提案はしてほしかったなと、今振り返ると思うところがあります。
しかしオーダースーツ店に敷居の高さを感じる人も多いからこそ、顧客側の意向を最優先する接客のケースは、決して少なくありません(それを一概に否定するつもりはありませんが)。
だからこそ、最初はなんでも「ふつうで」、あるいは「お任せで」とお願いしておく方が無難だといえます。
自分に合うサイズ感、自分に必要なオプションなんて、最初はわからないのですから、まずは標準を知るべきなのです。まして有料オプションをマシマシにする必要はありません。色々と有料オプションを追加するのは、それぞれの必要性がわかってきてから、あるいはある程度高級な生地でオーダーするようになってからでいいのではないでしょうか。

なお、サイズ感より問題だった点についても述べておきましょう。上記のはじめてのオーダー時は、たとえば、「ミラノ、ナポリ、ブリティッシュの3つモデルから選べるのですが、どれがお好みですか?」ともスタッフさんから尋ねられました。
3つの型を試着して、正直どれが合っているかはよくわからなかったのですが、なんとなくミラノモデル、ブリティッシュモデルがスタイリッシュな感じがするかなと伝えると、その2つのモデルでオーダーすることになりました。
しかしその次のオーダー時にわかったのですが、肩幅が広めの私は、同店のモデルだと「ナポリモデル」が実は一番体に合っていたんですね(それがわかってからは毎回ナポリモデルでオーダーしています)。上の写真も、肩まわりを中心にあまり合っていない感じが出てしまっています。
そのときのスタッフさんに判別できなかったといわれればそれまでのことなのですが、素人に毛が生えたくらいの知識しかない私でも、カラダの特徴的にナポリモデルが合うということは今ならよくわかります。
サイズ感はともかく、モデルなど余計に初心者にはわかりづらい部分くらい、「これが一番体型には合っているかと思います」と一言ほしかったなというのが本音ですが、それがなくとも、私から「どれが合っているかわからないからお任せしたいです」と伝えていればよかったのだろうなと思うわけです。
はじめてで、何の知識もないときほど、「好み」を排除して、スタッフさんに身をゆだねることが重要だと思います。歴が短いスタッフさんでも、大手のお店だと、マニュアル通りの採寸で失敗しない仕組みができているので、安心してお任せしてしまって問題ありません。さいあくの場合でも、サイズ調整などは無料でやってくれますしね。
後悔②:初回に有料オプションを色々つける

上記でも一部触れましたが、はじめてのオーダー時に、本当に必要な有料オプションがどれかなんてふつうはわかりません。まずはオーダーしてみて、そしてだんだん自分の好みがわかってきてこそ、各オプションの重要度や、自分にとって優先度が高いかどうかが見えてくるものです。
何もわからないままに勧められたら、なんだか付けたくなってしまうのが有料オプションですが、最初は最小限におさえるか、無しでも全然OKです。必要性の高いものとそうでないものは以下の記事も参考にしてみてください。
後悔③:「2着セット」に釣られる

2着セットで5万円ちょっとで買えるオーダースーツ店が今はたくさんありますよね。まだ慣れていない頃の私も、その割安感につられて何度もセット購入をし、今は着なくなってしまったスーツがいくつもあります。
本当にほしい生地が2つあったのなら全然よいと思います。むしろ、ピンとくる生地と巡り合えたのなら、私はその“出会い”はなるべく大事にすべきだと思う派です。しかし、「2着セットだからお得」という考え方ありきで、「もう一着つくるとしたらこの生地かな」という発想で仕立てるのは、あまりおすすめしません。
特に私も初期の頃は、1着だと割高感が強く、2着セットだと急に安さが際立つユニバーサルランゲージでよくセット購入をしていましたが、正直2着目は“どうしてもほしい”という感情よりも、“せっかく安くなるから”という感情ありきで選んでいた面があります。こうして仕立てた2着目は、やはり愛着がそこまで深いわけではなく、着る頻度もそこまで高くありません。着られるスーツが少なくて、とりあえず数を増やさないといけないような場合でない限り、基本的には1着を丁寧に吟味して購入することをオススメします。その意味では、「2着セット購入」ありきのお得感を強調するお店よりも、1着単体でお得に買えるお店を優先的に選んだ方がよいのではないかと私は思っています。
まとめ
ということで、私の後悔をもとに教訓としてまとめるなら、「初回はなんでも『お任せ』で注文すべき」「最初は有料オプションは最小限にすべき」「2着セットにつられすぎない」ということになります。まあ、本音を言えばこうした後悔も含めて楽しい経験だったのですが、せっかくこれからはじめてオーダーをされる方にはなるべく後悔はしてほしくないなという思いで書きました。皆様の参考になれば幸いです。
