ゼルビーノでオーダースーツつくってみたよ 聞いていた評判と比べて…

ネットでやたらと評判が良いように感じられるオーダースーツ店「ゼルビーノ」。

それまではパターンオーダーのお店でしかつくったことのなかった私でしたが、例によってネット情報に触発され、「そんなにコスパが良いなら自分もつくってみようかな」と思い立ち、まずはお店に足を運んでみた次第です。

今回は、そんな私がゼルビーノでオーダーすることした理由と、実際の商品の率直な感想について、ざっくばらんにお話ししていきたいと思います。

※価格は2、3年ほど前に購入したときの情報です。

目次

ゼルビーノの店舗に行ってみて

並んでいる生地

まず感じたのは、生地の豊富さ。

バンチブック(生地の見本帳)の形式ではなく、あらかじめ買い付けられた生地が、一着用のサイズでたたまれ、大量に棚に並んでいます。

公式HP(https://www.zerbino.info/)より

これだけあるので、もはや自力で選ぶのは初心者にはなかなか難しく、店員さんにイメージを伝え、色々ご提案いただきました。

やはりバンチブックに比べ優れているのは、生地のサイズです。1着丸々つくれるようの生地が置いてあるので、完成品のイメージがしやすいという点です。

体に当ててみることで、小さいサイズではなかなかわかりづらいイメージまでできるので、生地選びにおいては大きなメリットだと思います。

オーダースーツの価格

それでありながら、価格もけっこう抑え目なんですよね。

最低価格のラインは、4万2000円(2025年1月時点では4万7000円にまで価格が上がっています)ほどで、ポリエステルを50%程度含むものもありますが、ウール100%の生地もふつうにあります。

イタリアのインポート生地も、6万円前後から並んでいる印象。価格改定前の場合、5万円台でもそれなりにインポート生地が置いてありましたね。正直この「生地の豊富さ」と「価格の安さ」には驚かされました。

その上で、オプションが充実している点もメリットだと感じました。本切羽こそ4000円というなかなかの額がかかるものの、水牛ボタン、キュプラ裏地、AMFステッチなど重要なオプションがどれも標準搭載。ここはかなりの強みだといえるのではないでしょうか。

カスタムラインとラグジュアリーライン

さらに、2つあるモデルの中、低価格の「カスタムライン」でも着心地は良いというのも大きかったです。

ゼルビーノには、「カスタムライン」という価格抑えめのモデルと、「ラグジュアリーライン」という、同社イチオシのお高めモデルの2種類のモデルがあるのですが、店舗に行ってサンプル品の試着をすると、どちらも着心地はかなり良いんですよね。

「ラグジュアリーライン」は「カスタムライン」に比べてプラス4万円(値上がりして今は5万円弱かかりますね…)くらいかかるのですが、試着でもちょっと感動するくらいの着心地で、生地の重さを全然感じないようなフィット感でした。

やはりフラグシップモデルとしているだけあって、相当こだわってつくっていることがよくわかります。

一方、「カスタムライン」は、たしかに「ラグジュアリーライン」に比べると格落ち感はあるのですが、それでも十分着心地は良いなと感じましたし、見栄えも非常に良いなと素直に思いました。ケチな私としては、「4、5万円も差があるなら、全然カスタムラインで十分だな」と感じます。それくらい、カスタムラインのコスパは優れていると感じた次第です。

店員さんが初心者にも親切

とまあ、つらつらと書いてきましたが、何より、店員さんが親切だという点も大きかったと思います。

大手資本のお店にありがちな、不愛想だったり、スーツの知識があまりなかったりする方ではなく、スーツに詳しいことはさることながら、私のような初心者にも熱心に、また楽しそうに色々教えてくれるものですから、「こういう人のもとでスーツをつくりたいな」と素直に思いました。

ということで、「ならば一度買ってみよう」と思い、スーツを仕立ててみたというのが、購入までの経緯です。

ゼルビーノでオーダーしたスーツ

完成したスーツはこちら。

色はダークブラウン。

イタリアの「チェルッティ」というブランドの生地で、非常に柔らかいウール100%生地です。

カスタムラインのモデルで、本切羽、水牛ボタン、キュプラ裏地、AMFステッチも含めて、5万円ちょっとでしたから、かなりの破格ですね…。今だと6万円くらいということになるでしょうか。

採寸も丁寧にやってもらえて、サイズ感はぴったりです。

そしてイージーオーダーであるだけに、ユニバーサルランゲージ等のパターンオーダーのお店ではできない微調整が楽しかったなぁと思います。

ラペルをけっこう広げ(試しに10cm弱まで広げましたが悪目立ちはしませんね)、パンツをインタックにしたり(ユニバーサルランゲージでは一部商品でしかできませんでした)、肩にも細かい補正を入れたり。

その他、スラントポケットにしたり、裾のダブルの上下幅を広めにしたりと、細やかなこだわりを入れることができました。

良くなかった点

と、ここまでは良いことばかりを述べてきましたが、マイナスだと感じた点についても触れておきます。

まず、オーダー時の完成品の色味のイメージがけっこう違ったということです。

店内では、ベーシックなブラウンの色味だと思ってオーダーしていたのですが、完成した商品はかなり暗め。

発注時の生地の写真も残っていますが、今見ても、「あれ、生地間違えてない?」と感じるほど色味の印象が違いました(笑)。店内の照明との兼ね合いでしょうか。

その後何度か同店で頼んだ際は、自然光に当てるなどして念入りにチェックしたからか、色味のイメージがずれることはありませんでした。どの店舗もそこまで照明が明るいわけではないので、生地を決める前には、窓際の自然光に当ててチェックをしておくことをオススメします。

そしてもう一つが、生地が柔らかいからか、ラペルの部分に折り目が強めに感じられてしまったという点です。写真から伝わりますかね? 本来、スーツのラペルは、ロールの反り返りがふんわりしているほど美しく見えるものですが、今回のオーダー品は、ふんわり感がなく、むしろ折り目がついているくらいだったんですよね。

しばらくした後、お店に尋ねてみたら、アイロンを当て直して多少は改善していただきましたが、少し跡は残ってしまっています。

本来、カスタムラインだとしてもラペルはふんわり反り返るようなのですが、その後別の柔らかい生地でオーダーした際も、折り目に近い形になってしまったことがあったので、おそらく柔らかい生地だと起こりやすい事態なのではないかと推測されます。実際、しっかり厚みのある生地でオーダーした際は、全く気になることはありませんでした。

私的にはけっこう気になってしまう要素ではあるのですが、どの店舗の店員さんに聞いても、基本的にはきれいに仕上がるはずとの話なので、もしかしたら運が悪かっただけなのかもしれません……(笑)。

満足度

ということで、色々マイナス点も述べましたが、イタリア生地で、キュプラや水牛ボタンなどを含んだ上で5万円少々でつくれたのは、かなりお得だと感じました。

そして何より、店員さんが初心者にも親切だし、知識も豊富。生地選びの際も色々と良い提案をしていただき、フィッティングや細かい調整もとても的確だったので、大手の量販店資本のお店とは一味違うなと感じます。

「マイナス点」で紹介した部分は、たしかに気になる点ではあるのですが、それを加味しても余りあるメリットがあると思います。素直にまたつくりたいなと感じるお店でした。

実際にその後にオーダーした商品もいくつかあるので、それはまた別記事でご紹介したいと思います。

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