ブレザー好きが語る スーツのジャケットとの違いについて

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ジャケットの定番品として「ブレザー」とよく聞くけど、そもそもどういう定義なのか。スーツのジャケットとはどういう違いがあるのか。本稿では、そんな“今さら聞けない疑問”にお答えしつつ、ブレザーの特徴や種類についてざっとご理解いただけるようお伝えしていきたいと思います。あわせて、はじめてブレザーを買ってみようという方への“入門品”もご紹介いたします。

目次

ブレザーとは

イタリアっぽい雰囲気で仕立てたブレザー。肩パットを抜いています。

そもそもブレザーの定義を簡単に述べると、金属製のボタンパッチポケット(ジャケットの外側に縫い付けられたポケット)が特徴の、カジュアルからビジネスまで幅広く使えるジャケットといったところでしょうか。

1829年の英ケンブリッジ大学と英オックスフォード大学の対抗ボートレースの際、ケンブリッジ大学側が燃えるような真紅のジャケットを着ていて、この「燃える(blaze)」ような赤が「ブレザー」の語源になったと言われています。ブレザーといえばネイビー(紺色)をイメージする方が多いと思いますが、起源の一つは赤だったのですね。

あるいは、英国海軍の軍艦「HMS Blazer号」。艦長がヴィクトリア女王の視察に備えて、乗組員に濃紺のジャケットに真鍮ボタンを付けた制服を着せたのが始まりともいわれています。

いずれにせよ発祥は英国で、そこからアメリカなどに広まって独自の文化が築かれ、日本にもやってきた感じですね。

ちなみに日本でブレザーが有名になったのは、1964年の東京オリンピックです。日本選手団が着ていた真っ赤なブレザーが印象的だという方もいらっしゃるのではないでしょうか。あるいは英国起源の流れを受けて、制服として使用されることも多いですね。

ブレザーの種類

そんな英国発祥のブレザーですが、今の日本で主流なのは、だいたい英国式、アメリカ式、イタリア式の3つに分けられるでしょうか。

英国式

スーツにも共通する形ですが、英国式といえば、やはり肩パッドがしっかり入った構築的なシルエットでしょう。サイドベンツで、ウエストに絞りが入っているのも特徴とされることが多いです。ダブルジャケットが採用されていることも多いですね。

英国海軍の制服が出自の一つとされるように、格式が高く、フォーマル寄りのイメージが強いのが英国式の特徴です。

アメリカ式

いわゆる「アメトラ」といわれる形。ボックスシルエットに近く、パッチフラップポケットも特徴的(一部ヨレているところがありすみません)。

そんな英国から文化を受け継いだアメリカ式は、もう少しラフな着方も好まれるブレザーが多いです。ブルックスブラザーズに代表されるように、いわゆるアメトラ(アメリカントラッド)と言われる形はほぼ決まっていて、段返りの3つボタンに袖口のボタンは2個ウエストに絞りが入らないボックスシルエット、そしてパッチフラップポケット(パッチポケットにフラップがついている)フックベントという定型があります。

フックベント

イタリア式

イタリア式は柔らかい雰囲気が特徴(前章で着用写真を載せていたブレザーです)。

一方イタリアは、そのスーツの特徴と同じように、とにかく柔らかい雰囲気が前面に出ています。肩パットは入らないか極力薄めで、サイドベンツが主流。ウエストはしっかり絞りつつも、さらっと着られる感じが強いのが「The イタリア」といったところでしょうか。柔らかい着方が好まれる昨今の日本の流行的には、英国式やアメリカ式よりも、こちらの方がブレザーの入門にふさわしいといえるかもしれません。

肩パットを使わず、袖山にギャザー(いせ込み)を入れて、より柔らかい雰囲気に。

ブレザーとスーツ(のジャケット)の違い

濃紺に金ボタンが一番ベーシックな形(写真は英・米・伊それぞれの要素を取り入れたオーダー品)。

ここまでのブレザーの特徴をお読みいただけると、スーツのジャケットとブレザーは全く別物だということがおわかりいただけるでしょう。

そもそも、スーツとジャケパンスタイルは似て非なるものです。上下を同じ生地で、一緒に着用することが前提とされたスーツを基準に考えると、ジャケパンスタイルは、カジュアルに着ることも想定されているため、肩パットが抜かれるなど柔らかく作られることが多かったり、丈も少し短めに作られたりします。スラックスからデニムまで様々なパンツとの組み合わせが想定されているものです。

当然、ブレザーは上下同じ生地で着ることを想定されたものではなく、ジャケットとして独自の文化を築き上げてきたものです。

たとえばオーダースーツ店にいけばたいていのお店でブレザーを仕立てることができますが、その場合は、「ジャケット単品」という括りで作られることになるので、スーツよりも丈は短めに調整されることが多いですね。

ちなみに、これからブレザーに挑戦してみようという方はまず何を買うべきか。たとえばユニクロも7000円程度の破格でブレザーを出しているのですが、こちらはさすがに作りが安っぽすぎるので、正直あまりオススメはできません(ユニクロ自体は私も大好きですが)。

個人的には、グローバルワークが展開しているSalon de GW(サロン ド グローバルワーク)というフォーマルラインのブレザーをオススメします。日本が誇るスーツブランド「リングヂャケット」が監修した本格的で美しいシルエットながら、1万円台という“グローバルワーク価格”で買うことができるので、コスパの面ではトップクラスかと思います。私もネイビーとブラックの2色持っています。

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ということで、量販店で買う場合も、オーダースーツ店で仕立てる場合も、ブレザーとスーツは全く別物であることをご理解いただきながら購入していただくのが重要だと思われます。皆様の参考になれば幸いです。

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