aokiのオーダースーツの値段や評判を検証してみた 撤退はしてないよ!

誰もが知る紳士服大手の「AOKI」。そんな同社が展開するオーダースーツをめぐっては、「評判は良いの?」「撤退したって本当?」などという疑問がけっこうあがっているようです。

そこで本稿では、これまで10着以上の低価格オーダースーツを仕立ててきた私の経験をもとに、AOKIが展開するオーダースーツの実態について検証していきたいと思います。

目次

AOKIのオーダースーツとは

AOKIのオーダースーツの特徴(主に2種類)

AOKI公式より

現在AOKIは、「クイックオーダースーツ」と「パーソナルオーダースーツ」という2種類のオーダースーツラインを展開しています。

クイックオーダースーツとは

「クイックオーダースーツ」とは、ざっくり言うと「めっちゃサイズ展開が豊富な既製品」です。既製品の場合、だいたいジャケットの肩幅に合わせてスーツのサイズを決めることになるので、丈が長かったり短かったり、パンツが大きすぎたり小さすぎたり、どこかしらにはズレが生じてしまうものなのですが、これを低価格で実現しようというのがAOKIのクイックオーダーです。

ジャケットとパンツを違うサイズで選べる上、それぞれのサイズがかなり細かく用意されています。例えばジャケットでいうと、同じ肩幅でも何段階かの丈感のジャケットが選べたりするので、厳密に言うとオーダースーツではないのですが、まあ「これだけサイズ展開を豊富にしていれば実質オーダースーツといえるでしょう」といったところですかね(笑)。

ですから価格も、「既製品+α」くらいでイメージしておけばOKです。2、3万円くらいで買えるものもあれば、生地によってはもうちょっと高いものもあります。そもそもが既製品に準じた商品なので、公式HPでも「○○円~」という謳い方はしていないものと思われます。

納期も既製品と同じくらいで、同社によれば最短5日。既製品の裾上げと同じように、1週間くらい見ておけばいいでしょう。

パーソナルオーダースーツとは

一方で「パーソナルオーダースーツ」は、体に合わせた自分だけのスーツをオーダーメイドでつくるという意味で、文字通りのオーダースーツです(笑)。

オーダースーツとは一般的に、細かい調整が利く順に「フルオーダー」「イージーオーダー」「パターンオーダー」という3種類に分けられますが、AOKIの場合は「パターンオーダー」にくくられます。1着2万9000円(税込み31,900円)~という低価格を実現するには、当然といえば当然ですね。

とはいえ単に「パターンオーダーだから質が低い」「イージーオーダーよりもフィット感は小さい」という話でもありません。業界大手だからこその安心の仕立てであり、また公にはなっていませんが芯地には半毛芯が標準搭載されていることなどからも、「安くても最低限の品質は担保しよう」という気概は感じられます。

AOKIはオーダースーツを撤退してないよ!

よく混同されるのですが、AOKIが展開していたオーダースーツ専門業態「Aoki Tokyo」は、たしかに2020年に撤退しています。19年に事業をスタートしてからわずか1年のことでしたから、業界では話題になりました。

しかしAOKIとしてオーダースーツ自体を撤退したわけではなく、あくまでも「専門店」として立ち上げたブランドを撤退させたという話です。上記で紹介した「クイックオーダー」と「パーソナルオーダー」は展開していますのでご安心を。

ちなみに「Aoki Tokyo」は「2着セットで5万円」という価格展開でしたので、これはつまりユニバーサルランゲージやグローバルスタイル、DIFFERENCEなどと全く同じ横並びの値段ということになります(笑)。これだけ低価格の競争が激しければ、そりゃ撤退するところもでてきますよね……。とはいえこの「2着5万円」こそが、現在のオーダースーツ界における“一定の品質を保った上での最安値”だと私は考えていますので、よかったらこちら(↓)の記事も参考にしてみてください。

ユニバーサルランゲージで仕立てた「2着5万円」のオーダースーツ。
AOKIもだいたい同じくらいのクオリティでしょう。詳細はこちらに。

AOKIのオーダースーツの評判と実態を検証

ではそんなAOKIのオーダースーツの評判や「実際どうなの?」という点が気になるという方に向けて、もう少し詳しくお話ししていきましょう。結論から述べると、「評判は悪くない。しかし事業開始からまだ数年なので、オリヒカなど系列店のオーダースーツの評判や口コミを確かめるべき」ということになります。

まずは選べる生地や値段について検証していきましょう。

選べる生地と値段について

「クイックオーダー」については冒頭でご紹介した通りなので、ここでは「パーソナルオーダー」についてお話ししていきますね。

AOKIのパーソナルオーダーで選べる生地は、ポリエステル混の生地から、ゼニア、ドーメルなどの高級インポートものまで幅広くそろえられています。最低価格である3万円ほどでつくれる生地は、当然ポリエステルを含むものになります。

4、5万円程度からウール100%の生地で仕立てられるようになり、ボリュームゾーンとしては7~10万円くらいの価格帯のインポートものが豊富にそろえられているようです。ハイコスパなインポート生地として定番のカノニコだと9、10万以上はかかってくるようなので、そのあたりの生地に関しては、パターンオーダー店としてはイマイチなコスパかなという印象です。

なおオーダー専門店ではないですから、見られる生地のサイズは小さめ。ユニバーサルランゲージや麻布テーラーなどと同じくらいですね。

基本的な生地のラインナップはどの店舗でも同じですが、銀座店をはじめ、中心地にある比較的規模の大きなお店の方が、+αとしてそろえている生地があるそうです。ご興味をお持ちの方は、「とりあえず近くの大きそうなお店」に足を運んでみるのがよいのではないでしょうか。

評判や口コミ

先ほどの通り、AOKIのオーダースーツの評判を簡潔に述べるとこんな感じでしょう。「評判は悪くない。しかし事業開始からまだ数年なので、オリヒカなど系列店のオーダースーツの評判や口コミを確かめるべき」

というのもまだAOKIがオーダースーツの事業を本格的にはじめてからそれほど長い年月が経ったわけではないので、10年、20年も前からやっているお店と比べると、まだ確固たる評判が浸透している段階ではないと思われます。ですから同じグループで展開している「オリヒカ」の評判なども参考にしてみると、その安定した評判を把握することができるのではないかと思います。同じグループなら、基本的な作り方や工場などはどこも一緒ですからね。

とはいえAOKIのオーダースーツ自体にも色んな声があがっていますから、Xよりいくつか取り上げてみましょう。AOKIがSNS上で展開したプロモーションの一環の投稿なので、あくまでも仕上がりの参考程度に。

ということで、今回は誰もが知る紳士服大手のAOKIが展開するオーダースーツの実態について検証してみました。これまで10着以上の“低価格オーダースーツ”を仕立ててきた私から見た本当のコスパ店については、以下の関連記事を参考にしてみてください。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次