スーツにノーネクタイがおかしい!とは限らないが…最低限の注意点をおさえておこう

「スーツにノーネクタイって、本当はおかしいのでは……?」

そんな懸念をぬぐい切れない方も少なくないかもしれません。

そこで本稿では、ノーネクタイがおかしいのか(ダサいのか)という疑問に対する端的な解と、ノーネクタイの場合の最低限の注意点についてお伝えしていきます。

目次

スーツは“ネクタイありき”のファッション

まず前提として、スーツスタイルは、もともとネクタイを含めて完成するファッションです。

正式な場面ではネクタイの着用が基本とされていて、きちんとした印象を与え、相手に対する礼儀を示すことができる「正装」であることは誰もが知っていることだと思いますが、それよりも、スーツという洋服の作り自体が、ネクタイありきでかっこよく見えるものになっているという話です。

美しいVゾーンありきのスーツスタイルなんです

一方で、ノーネクタイが必ずしも「おかしい」とは限らない時代になっているのもまた事実。クールビズが浸透した現在では、特に夏場やカジュアルなビジネスシーンでは、ノーネクタイが一般的になりつつあります。また、業種や職場の雰囲気によっては、ノーネクタイでも問題視されないことが増えてきました。したがって、スーツ=ネクタイ必須という考え方は徐々に変わりつつあると言えるでしょう。

とはいえ、ネクタイがないことで、スーツのバランスが崩れたり、全体的に締まりのない印象を与えたりする可能性があります。そのため、ノーネクタイでスーツを着こなす際には、適切なシャツの選び方や全体のコーディネートに注意を払うことが求められます。

ノーネクタイがおかしいとならないために ~ワイシャツの選び方~

ノーネクタイのスーツスタイルを取り入れる際、最も重要になるのがワイシャツの選び方です。ネクタイがないことで首元が強調されるため、ワイシャツのデザインによっては、だらしない印象を与えてしまうことがあります。そのため、ノーネクタイでも違和感なく見せるためには、適切なシャツを選ぶことが不可欠です。

まず、襟の形状に注目する必要があります。一般的に、ノーネクタイでの着用に適しているとされるのは襟先をボタンで留められる「ボタンダウンシャツ」や、襟の開きが広い「ワイドカラー」「ポリゾンタルカラー」などのシャツです。

ボタンダウンシャツ(洋服の青山公式サイトより)
一般的に「ワイド」とされる襟の開き(Solveのシャツ
一般的に「ポリゾンタル」とされる襟の開き(ファブリックトウキョウのシャツ

ボタンダウンシャツは、襟の先がボタンで固定されているため、ネクタイなしでも襟が立体的に見え、首元が引き締まる効果があります。一方で、ワイドカラー等は襟の開きが広めに設計されており、ノーネクタイの状態でもバランスが良く、スーツとの相性が良いのが特徴です。

逆に、レギュラーカラーやセミワイドカラーのワイシャツは、ネクタイを着用することを前提としているため、ノーネクタイにすると襟元が崩れやすく、スーツとのバランスが取りにくくなる場合があります。そのため、ノーネクタイでスーツを着る場合は、襟のデザインを意識し、適したものを選ぶことが大切です。

あと付け加えるなら、シャツの素材やフィット感も意識するとなお良いです。シワが目立ちやすい生地や、オーバーサイズのシャツは、ネクタイがないことでよりラフな印象を強調してしまい、ビジネスの場では不適切に見える可能性があります。そのため、できるだけシワになりにくく、体にフィットするシャツを選ぶことで、清潔感を保つことができます。ノーネクタイでもきちんとした印象を与えるためには、襟の形状やシャツの質感に注意を払い、全体のバランスを整えることが重要なんですね。

できればアクセントのあるワイシャツを

ノーネクタイのスーツスタイルでは、ネクタイの代わりにワイシャツのデザインに工夫を加えることで、おしゃれな印象を作ることができます。ネクタイがない分、全体のコーディネートがシンプルになりがちですが、適度なアクセントを取り入れることで、洗練された雰囲気を演出できます。

例えば、シャツにさりげない柄やデザインが施されているものを選ぶと、単調な印象を避けることができます。ストライプやチェック柄のシャツは、シンプルなスーツと組み合わせても程よいアクセントとなり、コーディネートに奥行きを持たせることができます。また、襟やカフスに異なる生地が使われている「クレリックシャツ」も、ノーネクタイのスタイルを洗練された印象にするアイテムの一つです。

クレリックシャツ(オリヒカ公式サイトより)

ボタンのデザインや襟元のステッチなど、細部にこだわったシャツを選ぶのも効果的です。通常の白い高瀬貝のボタンではなく、高級とされる白蝶貝のボタンを選ぶことなどによって、ワンポイントのおしゃれを演出できます。ただし、ワイシャツのボタンに色を付けたり、襟裏に柄を入れたりするのは、あまり上品なおしゃれとは言えません。あくまでもシンプルさは失わないようにすることが大切です。

ということで、「スーツにノーネクタイはおかしいのか」と聞かれれば、「スーツとはネクタイがあることで完成するファッションだが、ノーネクタイのスタイルもおかしいわけではない」「ただしノーネクタイの場合はワイシャツ選びに注意する」という結論になります。皆様の参考になれば幸いです。

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