趣味の一つでも見つけたいけど、なかなかハマるものがない――。
本来は好きでやっていたことがそのまま趣味になるものですから、ある意味当然のことといえるでしょう。
だからこそ、趣味に必要なのは「実利」なのかもしれません。
そんな文脈で、私はオーダースーツこそが男性にとって最強の趣味であると思っています。
以前は既製品で十分、むしろ既製品の方がコスパが良いとさえ考えていた私が、オーダースーツにハマって気づいた点なども踏まえながら、その理由をお伝えしていきます。
自分をカッコよく見せることに直結する
趣味を作りたいと思っても、なかなか定着しないことが多いのは、単純にその行為自体を楽しむことができていないという要因も大きいのではないでしょうか。せっかくのオフタイムを充実させるために、キャンプやら釣りやら、ゴルフやら美術館めぐりやら、やってみたはいいものの、それ自体が楽しくなかったらあまり意味はありませんよね。もちろん、ゴルフを始めれば一緒に回れる人が増えたり、美術館をめぐることで教養が深まったりするメリットも考えられはしますが、あくまでもそれは副次的なもので、本来の「オフの時間を楽しめる趣味がほしい」という目的に適ったものとはいえません。
こうした中、オーダースーツは、生地を選んだり細かい仕様を考えたり、自分に似合う着方を考えたり、それ自体がとても楽しい行為であることに加え、何より自分をより良く見せることにも直結する趣味だといえます。
男を最もかっこよく映すことができるスーツという装いで最も重要なのは、サイズ感です。それほど高価なものでなくとも、サイズ感さえ合っていればスーツ姿は段違いにかっこよくなりますし、さらに仕立ての良いものや上質な生地を選べればなおさらです。オーダースーツに詳しくないとしても、街を歩く男性を見て「お、かっこいいスーツだな」と感じることがあるとすれば、それはほぼ間違いなくオーダースーツです。いかに高級な生地のスーツでも、ちょっとしたサイズ感のズレが全体の雰囲気に作用するのがスーツの奥深いところであり、面白いところだといえます。

大人の男性であれば、普段の仕事をはじめ、スーツを着るシーンは誰しあるでしょう。オフィスカジュアル化が進んでいるとはいえ、ジャケパンスタイルや、Tシャツに合うジャケットも、オーダー品であるかどうかで全くカッコよさは違ってきます。バシッとスーツを着なければならないシーンならなおさらです。
ですから、最初はオーダースーツを作ること自体にそれほどの楽しさを感じられなかったとしても、副次的なメリットがあまりにも大きいので、単純に「めちゃくちゃ良い自己投資」と割り切れるだろう、ということです。


一生の趣味にできる
スポーツを趣味にすることも素晴らしいことですが、年齢を重ねるにつれて身体機能が衰えていくこととも向き合わなければなりません。またはキャンプや釣りなど、休日を丸ごと使ってしまう趣味も、生活環境などによっては誰しもに継続性があるとも限りません。
しかしオーダースーツは、作ること自体は買い物の延長のようなものですし、完成品を着て出かけることもその趣味の一環となります。どんな人でも続けられる上、生きている限りずっと楽しめる趣味であるわけです。
それどころか、むしろ年齢ごとの良さが出せる趣味といえます。10代、20代では着こなせないようなスーツが、40代、50代になるととても似合うようになることもあります(グレースーツや、ダブルのスーツなどはよく挙げられるでしょうか)し、60代、70代、80代と年齢を重ねるごとに、その時に似合うスーツが必ずあるわけです。たとえば杖をついた高齢の方が渋いスーツを着ている佇まいなど、イメージしやすいところではないでしょうか。
年齢ごとに、そのときどきの自分を美しく見せるスーツがあり、いくつになっても限界が訪れることはない。これぞ一生の趣味と呼ぶにふさわしいものといえるのではないでしょうか。
ライト層でもメリットたくさん

スーツと一口にいっても、その形状や生地など、とてつもなく奥深いものです。ぱっと見には表れない仕立てのレベルなどによって、数万円のものから100万円くらいするものまで、多種多様です。たとえば、元首相の麻生太郎さんは、英国調のクラシカルなスーツを好まれ、いつも決まったテーラーで仕立てられる方として知られていますが、一貫したご自身のスタイルをお持ちで、本当にかっこいいと思います。
そう聞くと、ハードルの高い世界であるかのように思われるかもしれませんが、今は価格競争が働いて2~3万円程度からオーダーできる時代になっている上、低価格帯の商品でも、大手のしっかりしたお店なら、かなり品質もしっかりしています。それで自分をよりかっこよく、美しく映すことができるのであれば、ライト層にとってもメリットだらけであるといえるのではないでしょうか。かけられる予算が3万円でも、10万円でも、あるいはそれ以上でも、それぞれの予算に応じた楽しみ方ができる上、誰しもに「スーツをかっこよく着こなす」というとてつもないメリットが付いてくるというわけです。
低価格からでも挑戦できる
オーダースーツと聞いて一番のネックになるのが、金銭的な要素でしょう。しかし前項でちらっと述べた通り、今は2~3万円程度からオーダーができる時代になっていて、初心者の方にも優しい接客をしてくれるお店が増えています。
「安かろう悪かろう」のお店もあるにはありますが、お店選びさえ間違えなければ、安くても品質が良いスーツが十分仕立てられます。ある程度年齢を重ねた方が低価格店に行くのもなんら不自然なことはないですし、行ってみればわかりますが、同じようなお客さんもたくさんいます。
いきなり10万円のスーツを仕立てるのはハードルが高いでしょうし、私自身もそれはあまり良い選択肢だとは思いません。まずは5万円以下くらいで買えるお店を比較し、気になったお店に予約して行ってみることをオススメします。初回は無理に買わずとも、説明を聞いたり、生地を見てみたりするだけでOKです。お店に行くだけならタダですから、迷うくらいなら説明だけでも聞きに行ってみましょう。


一生モノのスーツを仕立てられる
「一生の趣味になる」とお伝えしましたが、オーダーということは体にフィットしたスーツができあがるということですから、「一生着られる一着」を作ることもできるといえます。
もちろん、生地によってはあまり長くは着られないものもありますし、体型が大きく変われば着られなくなることもあるでしょう。
しかしたとえば、スーツ発祥の地である英国では、スーツとはお直しを重ねて子や孫に引き継いでいくことが前提とされていた歴史を持つものです。
しっかりとした生地感のスーツなら、着方さえ守れば(連日の着用を控えるなど)末永く着ることができますし、破れた部分を補強してきるのもまた“味”といえます。ツイード生地やコットン生地などであれば、着こむことでどんどん風合いが増していく面があり、まさに一生モノとして仕立てる価値があります。
あるいは、年齢を重ねるにつれて太ったりしていくものですが、前に作ったスーツをかっこよく着続けられるよう、体系を維持する指針になったりもしますね。
久しぶりにクローゼットから取り出したスーツを着てみるというのも、とても豊かな体験だと思います。

ということで、オーダースーツが男の最強の趣味だと私が考える理由について、つらつらと述べてみました。気になった方は、まずは低価格店のドアを叩いてみることからぜひ始めてみてください!皆さまの豊かなオーダースーツ人生のきっかけになれば嬉しく思います。
