コスパの良いスーツ店として知られる青山商事系列のブランド「洋服の青山」「スーツカンパニー」「ユニバーサルランゲージ」。雰囲気が違うのはわかるけど、具体的に何がどう違うのか、わからないという方も多いでしょう。
そこで本稿では、3ブランドの違いについて、具体的に比較・検証していきます。
各ブランドの基本情報

まずはそれぞれのブランドの基本情報から見ていきましょう。
洋服の青山

洋服の青山は、幅広い年齢層を対象にした紳士服を扱う大手アパレルチェーンです。
皆さんご存じの通り、高いイメージのあるスーツをリーズナブルな価格で提供していて、日本全国に店舗を展開しています。ビジネスマンだけでなく、フォーマルな場面で必要な服装を求める様々な人に選ばれるブランドですね。
ただし、若者向けのトレンドを重視したデザインは少なめであるため、今っぽさはあまり感じられないかもしれません。ただし、同社の「HILTON」という高級ラインについては、ファッション誌編集長を歴任してきた戸賀敬城氏がディレクターを務めていることもあり、かなりトレンドが意識されたデザインになっています。インポートものの高級生地が手軽な価格で手に入るラインといえるでしょう。
スーツカンパニー(スーツスクエア)

スーツカンパニーは、特に若い世代のビジネスパーソンをターゲットにしたブランドで、現代的なデザインやトレンドを意識したスタイルを重視したスーツを提供しています。
そのため、比較的広い年代に支持されているものの、特に20代から30代の男女に強い人気があります。トレンドに敏感なデザインである一方で、かなり手頃な価格設定になっているので、スーツ初心者にもよくオススメされているブランドです。
逆に言うと、トレンドを意識しているということは、せっかく買ったスーツが数年後には少々古く感じる可能性があるとはいえるでしょうか。また、店舗は主に大都市圏に集中しているため、地方にお住まいの方はアクセスがやや不便かもしれません。
なお2023年、「スーツカンパニー」という名前が「スーツスクエア」と変わっています。
ユニバーサルランゲージ

ユニバーサルランゲージは、「大人の男性」をターゲットにしたブランドで、高品質な素材と洗練されたデザインを提供しています。これまでに紹介した二つのブランドより価格帯はやや高めですが、その分、よりハイクオリティなスーツが入手できるといえます。メインターゲットは30~50代程度あたりですが、20代後半くらいからでも十分に手が届く価格帯になっています。
既製品のみならずオーダースーツにも注力していて、青山系列の資本力を活かしたハイコスパスーツを仕立てることができます。
各ブランドの違いについて
それぞれのオーダースーツについて
青山系列では「Quality Order SHITATE(クオリティーオーダー・シタテ)」と銘打ったオーダースーツ事業を展開していて、「洋服の青山」と「スーツカンパニー(スーツスクエア)」で仕立てることができます。1着3万1900円~という価格展開なので、さすがは青山ブランドの価格設定といったところでしょうか。
ユニバーサルランゲージはこちらとは別で独自でオーダースーツ事業を展開しています。1着3万9000円~と、「Quality Order SHITATE」よりやや上がりますが、2着セットで購入する場合は5万2800円となるので、実質1着2万6400円から仕立てられるということになります。


「スーツスクエア」と「スーツカンパニー」の違い
既述の通り、以前は「スーツカンパニー」(THE SUIT COMPANY)として知られていたブランドが、2023年より「スーツスクエア」(SUIT SQUARE)というブランドに一新されました。
細かいことはさておき、ひとまずは名称が変わったと理解しておけば良いでしょう。
「ユニバーサルランゲージ」と「メジャーズ」の違い
店舗によって、「ユニバーサルランゲージ」と「ユニバーサルランゲージメジャーズ」という2種類あります。ともにユニバーサルランゲージブランドの一部ですが、極簡単にいうと、「メジャーズ」の方はオーダーサービスの方を重視しているイメージでよいでしょう。とはいえ既製品も販売しているので、両者に大きな違いはないと考えてよいかと思われます。
青山、スーツカンパニー、ユニバーサルランゲージの違いを端的に
ここで簡単に、青山、スーツカンパニー、ユニバーサルランゲージの違いをまとめておきましょう。
洋服の青山は、「HILTON」などの高級ラインもあるものの、基本的には幅広い年齢層を対象に、トレンドに左右されない紳士服を扱う「全世代型量販店」である一方で、スーツカンパニー(スーツスクエア)は、20~30代を中心とした若い世代のビジネスパーソンをメインターゲットにしたブランドで、現代的なデザインとトレンドを意識したスタイルを重視したスーツを低価格で提供しています。そしてユニバーサルランゲージは、もうワンランク上の「大人の男性」、主に30~50代をメインターゲットに、クラシックなデザインも含め、より上質な商品を高いコスパで展開しているブランドといえるでしょう。
各ブランドの評判など
それぞれの評判などからも比較していきましょう。
青山やスーツカンパニーはダサい?
上記の通り、青山はそれほどトレンドをおさえた作り方をしておらず、またスーツカンパニーはトレンドを強く意識したモダンなつくりになっています。どちらも一長一短という意味で、「ダサい」という声があがるということは、まあ理解できるところではあります。とはいえ、どちらもサイズさえしっかり合っていれば、本当にダサくなってしまうことはありませんからどうぞご安心を。
ただ不安がある場合、より高品質なユニバーサルランゲージの方が、ほどよくトレンドを意識しつつ、クラシックな雰囲気も取り入れていて、バランスが良いかもしれません。まずは一度店舗を訪れてみると、両ブランドより「大人」の雰囲気が感じられることでしょう。
対象年齢層
どのブランドも対象年齢層は「全世代」としていますが、実際のところ大まかな特徴がそれぞれにあります。
洋服の青山は、大学生や新社会人など、低価格スーツの定番であるほか、50代以上にとっては「スーツと言えばとりあえず青山かAokiだろう」というイメージを持っている方も多いため、その結果「幅広い年代に支持されている」ということになります。
一方、スーツカンパニーは比較的若年層がかっこよくスタイリッシュにスーツを着こなすためのブランドですから、やはり実質的には2、30代がメインターゲットになっています。ですがあらゆるスーツ関連商品がかなりの低価格で売られているので、4、50代の方々もよく店舗を訪れられていますよ。
ユニバーサルランゲージについては、スーツカンパニーより少し上、というイメージでよいでしょう。とはいえユニバーサルランゲージの商品もかなりおさえめではあるので、20代でも十分手が届く範囲。20代後半から40代くらいまでが主要な層といえるのではないでしょうか。
実際の評判
3ブランドの特徴などは、これまでの章でおわかりいただけたでしょう。実際の評判も、おおむねその通りです。
スーツカンパニーとユニバーサルランゲージで購入した実体験などについては、こちらの記事も参考にしてみてください。
というわけで、青山、スーツカンパニー、ユニバーサルランゲージの3ブランドについて比較・検証してみました。皆さまのご参考になれば幸いです。