40代のメンズスーツはどこで買うべきか ブランド・生地・価格の考え方

職場でもまさに中心的立場である40代。さすがに「若手」と呼ばれていた頃のスーツをそのまま切るわけにはいかない…だけどスーツにそれほど高いお金を払いたくはないなぁ……そんなお悩みをお抱えの方へ、「40代のスーツはどこで買うべきか」という考え方について、詳しくお伝えしていきます。

目次

40代のスーツは「質」にこだわろう

端的に申し上げると、40代の男性がスーツを選ぶ際に最も重要なのは「質」です。もっというと、サイズ感が合っているのは前提として、さらに「生地」と「仕立て」にこだわるべき、といっていいでしょう。

生地の選び方

まず、生地について。

ここで強調したいのは、「ポリ混スーツは卒業しよう!」ということです。

特にポリエステルが50%以上含まれるスーツは、価格も安い上、手入れが楽でシワになりにくいというメリットがありますが、光沢は無いか、あっても化学繊維独特の光沢感になってしまい、天然素材にある上品な風合いはありません。

これが社会人になって間もないころであれば、周りも同じようなスーツを着ているので気にする必要はないかもしれません(いや、気にした方がいいのですが…)が、社会の主力にもなった年齢で少々チープ感のあるスーツを着ているのは、果たして年齢相応といえるでしょうか。“大人”としての装いで、洗練された印象を周囲に与えるには、やはりウール100%をはじめとした天然素材をメインとした生地を選びたいところです。もしかしたら、「自分が持っているスーツの素材なんて考えたこともなかった…」という方も少なくないかもしれません。そういう場合、まずはご自身の手持ちのスーツの素材を確認することから始めてみてください。

基本的には、スーツの定番素材であるウール100%を選んでいればOKです。見た目に上品な高級感があり、着心地や通気性、保温性もばっちり。というか、世のほとんどのスーツはウール素材でできているので、まずは「ウール50%、ポリエステル50%」というスーツを卒業して、「ウール100%」を選ぶのが良いと思われます。

サイズ感・仕立てについて

続いて、サイズ感も含めたスーツの「仕立て」についてです。

まず、どんなに良い生地を使っていても、サイズが合っていなければスーツの美しさは消減します。例えば、ジャケットの丈が長すぎたり、袖が余っていたりすると、全体的に野暮ったい印象になるのは目に見えていますよね。もちろん、パンツも同様で、ダボダボしすぎていたり、逆にピチピチだったりすると、かっこよくないという次元を通り越して、もはやスーツの体を成していないと言わざるを得ません。

ですからサイズ感の合ったスーツを選ぶのは大大大前提です。

その上で、40代の場合は、仕立てのレベルにもこだわっていきたいところ。スーツの見栄えを左右するのは、ここまでに述べた「生地」と「サイズ感」が大きいことに変わりはないのですが、仕立てのクオリティが影響する要素も決して小さくないし、何より着心地に大きくかかわってきます。

仕立ても重視したスーツ。手作業工程多めなため、柔らかな印象があります。

ですから、一般的に品質が高いとされる国内縫製が採用されていたり、手作業が多く取り入れられたスーツ(一般的にハンドメイドスーツと呼ばれます。手作業工程が少ないものはマシンメイドと呼ばれることが多いです)、あるいはこのあたりの事情がわかりづらければ、「仕立てにもこだわっている」と謳われているスーツを選ぶのもありかもしれません。

ブランドものより「ノーブランドのオーダー」

こうした点にこだわっていくとなると、やはりブランド品よりも「ノーブランドのオーダースーツ」を選ぶ方が絶対にお得です。高級ブランドのスーツに魅力を感じる人もいるかもしれませんが、実際にはブランドネームに対する付加価値が価格に大きく反映されているため、必ずしも品質が価格相応とは限りません。それよりも、ノーブランドであっても、オーダーで自分の体に合った一着を、上質な生地で仕立てる方が、見た目の印象は格段に良くなります。ポールスミスのスーツを着ていたって、ロゴなどが表地についているわけでもないのに、周りに「あ、ポールスミスだ!」と気づく人はいるでしょうか。Tシャツなどとは違い、ブランドによる「見た目上の付加価値」が小さいからこそ、そこにこだわる必要性も相対的に下がるという話です。

一方でオーダースーツの場合、体型にぴったり合ったサイズでスーツがつくれる時点で、スーツをかっこよく着るための大大大前提を満たすことができるわけです。やはり既製品だと、どんなに標準体型に近い人でも、どこかしらのズレは生じています。オーダースーツなら肩幅・袖丈・着丈・ウエストなどを細かく調整できるようになるため、既製品とは一線を画すんですね。

もちろん、生地やデザインの選択肢も豊富なので、ご自身のこだわりに満ちた一着をつくることもできるのも大きな魅力といえます。

一般的に高いイメージをもたれがちなオーダースーツですが、現在は既製品とそれほど変わらない価格でオーダーすることができる時代になっています。むしろ、同じレベルの生地だとしても、既製品のブランドスーツよりも、余計なブランドのついていないオーダースーツの方が全然安いくらいです。それならば、より体に合っていて、かっこよく洗練された印象を与えられるオーダースーツを選ぶ方が理にかなっているのではないでしょうか。

その中で、上記にも述べたように、できれば「国内縫製」「ハンドメイド」あるいは「イージーオーダー」(パターンオーダーよりもグレードが高いとされる)などのキーワードが謳われているオーダースーツ店を選ぶと、仕立てにもこだわった大人のスーツがつくれるはずです。

そのあたりのバランスがとれたコスパ店はこのあたりがおすすめです。

価格の考え方・目安

最後に、価格の目安などについても触れておきましょう。

ここまで、「生地にこだわろう」「オーダースーツにしよう」などと述べてきましたが、何も10万円、20万円もするようなスーツを買う必要はありません。ゼニアやロロピアーナなどのイタリア生地、ドーメルなどのイギリス生地を無理に選ばずとも、国産のノーブランド生地でもウール100%なら十分な品質を備えています。こういう生地なら、オーダースーツでも4〜5万円程度から作ることができ、コストパフォーマンスを考えると非常に優れた選択肢といえるのではないでしょうか。

まずはこのあたりから始めていった上で、「周囲から見て一目で良いスーツを着ている」と思われるには、インポート生地のスーツに手を出していくのがよいのではないでしょうか。

やはりイタリア製やイギリス製の高級生地は独特の光沢感や風合いがあり、上品で洗練された印象を演出できます。既製品なら5〜6万円、オーダーなら7〜8万円程度から、上品な光沢感のあるスーツを選べるため、予算に応じて検討すると良いでしょう。

あるいは高コスパ生地の二大ブランド、カノニコやレダであれば、上記よりももう少し抑えた価格で購入できることが多いです。そのあたりはこちらの記事も参考にしてみてください。

高級スーツの落とし穴

ただし、価格が高ければ良いというわけではありません。あくまでも一般的な傾向ですが、スーツの生地は高級になるほど、使われている繊維は細いものが採用されていて、上品な光沢感や高級感が出ていいます。その一方で、繊維が細くなるほど、丈夫さも失われていきます。

ですから、ビジネスシーンで着るためのスーツの場合、ある程度着る機会があるわけですから、あまりにも繊維が細いものは適していないといえるでしょう。光沢が強すぎても、ビジネスシーンには似つかわしくないですよね。

一つの基準としては、ウールの「スーパー130」(数字が大きいほど繊維が細くなる)は超えないくらいがビジネス使いには適しているといえます。110前後が定番でしょうか。130を超えると、かなり光沢が強くなるし、あまりガシガシ使えなくなってもくるので、ビジネス使いや固い職場で着るのには適していないかもしれません。

ということで、40代のスーツ選びの考え方について、ご紹介してきました。年齢に合った上品なスーツの着こなしをしていると、大人の魅力もまた一段と深まります。ぜひ参考にしてみてください。

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