社員ら100人以上が、顧客から31億円もの額を不正受領していたという前代未聞の不祥事が発覚したプルデンシャル生命。その謝罪会見の内容について問題視する声が広がっているのはさることながら、そこに臨んだ経営陣の「おしゃれなスーツ姿」にも注目が寄せられています。彼らのスーツスタイルの何が問題だったのでしょうか。
おしゃれすぎたスーツ姿
やはり目につくのは、司会を務められたプルデンシャル・ホールディング・オブ・ジャパンの方。スリム目なサイズ感がらも肩幅や袖丈などはしっかり合わせていて、オーダーと思われる素敵なスーツ姿でいらっしゃいます。
しかしパッと見ただけでも2か所、「おや…!?」という点があります(本稿の趣旨には影響しないので、また司会の方は経営陣ではないので、会見では公開されているお名前やお顔などは伏せる形にさせていただきます)。


一見しただけではそこまで気にならない方も多いかもしれませんが、スーツについてある程度知識のある方ならちょっと笑ってしまうほど、TPOにそぐわないスタイルになってしまっているのではないでしょうか。
ノッチドラペル
まず目につくのは、写真だと少し暗くて見づらいかもしれませんが、ジャケットのラペルの部分です。
シングルスーツならノッチドラペルが一般的で、フォーマルな場にノッチドラペルが適しているのは言うまでもないことです。

しかし司会の方が着用していたのは、あろうことか「ピークドラペル」(下襟が上に尖っているタイプ)のジャケット。よりエレガントで華やかな雰囲気が出るこの仕様が、謝罪会見の場にふさわしくないのは当然でしょう。

ダブルのジャケットにおいてはピークドラペルがむしろふつうですが、シングルスーツでピークドラペルになっているものはなかなか珍しい。少なくとも、量販店などの既製品でふつうに買えるようなものではなく、オーダーで“わざわざ”このような仕様にしているか、既製品だとしてもデザイン性を重視して遊び心のあるブランドものを購入していると推察されます。
おしゃれなスーツを身にまとうこと自体はいいとしても、このスーツを謝罪会見に着用されるとは、なかなかに驚くべきことだなと思われるわけです。
ワイドカラーのシャツ

続いて、ワイシャツの広がった襟です。いわゆるワイドカラーと呼ばれるものですね。
これは既製品でもよく売られるようになっていて、少しカジュアル感が出るとはいえ、ビジネスシーンで使っても全く問題はないレベルです。
しかしフォーマルな場ではやはり不適切。襟が広がっていない“ふつうの襟”のシャツを着るべきであるのに、けっこう大きめに広がった襟のシャツを着てこられるとは、これまた驚きです…。
ダブルカフス

極めつきはここでしょう。ワイシャツの袖口が「ダブルカフス」の仕様になっているところです。
逆に「シングルカフス」とは、袖口にボタンがついているいわゆる“ふつうの袖口”のことで、一方「ダブルカフス」とは、カフリンクスなどを利用して袖口をとめる仕様で、たとえば結婚式やパーティなど、華やかな場面で使われる装飾性の高いもの。
正直、ワイドカラーは百歩譲って「間違えて着てきちゃったのかな」くらいでまあ許してもらえそうなところもありますが、ノッチドラペルとダブルカフスは、「どうしてわざわざ……」という気持ちが本当にぬぐえません。わざわざ手間をかけてカフリンクスを付けているとき、どんな気持ちだったのでしょうか……。
昨今、なんでもかんでも「マナー違反だ!」と叫ばれ、うるさい時代などと言われますが、これについてはそんな次元の話ではないので、ネット上でも問題視する方が多かったのでしょう。
しいていうなら、ネクタイの結び目にディンプルをつくっていなかったのは、せめてもの救いといえるかもしれません。
司会者だけではない
ネット上で注目されているのは司会者の方が中心のようですが、違和感は他の方々にも。
まずはプルデンシャル生命の間原寛社長。これまたかなりの襟の開き具合であるワイドカラーシャツを着用されていますね。さらにネクタイのディンプルもしっかり作って、首元に華やかさを演出されています(笑)。

ディンプルについては、次期社長と紹介された得丸博氏も。

スーツというのは、TPOをわきまえた着方をしてこそはじめて「かっこいい」が成り立つ装いです。生地やサイズ感、細かい仕様がいくら優れていても、その前提に問題があれば、台無しどころか人に不快感さえ与えかねません。私自身も、この会見から自分のスーツスタイルにおかしな点がないか注意し直そうと思います。